京都府宇治市伊勢田にある稲垣産婦人科です。専門の婦人科診療はもちろんの事、女性の為の漢方診療を行っています。

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漢方薬情報(あ行)

『茵ちん蒿湯』(いんちんこうとう)

『29歳、女性。血液検査で肝機能異常が認められ、報告者の大学病院で精査の結果、脂肪肝が発見された。西洋薬(ウルソデオキシコール酸、ベザフィブラート)による治療を開始したが、16ヶ月間の投薬にもかかわらず肝機能は全く改善されなかった。そこで茵ちん蒿湯エキス剤を併用投与したところ、肝機能は急速に改善されて、茵ちん蒿湯投与22ヶ月後には肝機能はほぼ正常化した。


マウスに実験的に肝障害を誘発する際に、茵ちん蒿湯エキス剤を前投与したところ誘発肝障害は明らかに軽減され、その機序として炎症性サイトカインの過剰産生を茵ちん蒿湯が抑制している可能性が示唆された。


胆道閉鎖症の手術後に多く見られる肝臓障害2例(いずれも4歳の女児)に対し茵ちん蒿湯エキス剤を投与したところ、2例とも肝機能の改善を認めた。

『茵ちん五苓散』(いんちんごれいさん)

75歳男性。上腹部痛で受診し、膵嚢胞が発見され、同時にアミラーゼ、リパーゼの高値と膵炎の所見が認められた。その後各種薬剤の投与が行われたが、上腹部痛の軽減なく21ヶ月が過ぎた。そこで茵ちん五苓散エキス剤の投与を開始したところ、投与5ヶ月目より膵嚢胞の縮小傾向が見られ、アミラーゼ、リパーゼが正常化した。投与10ヵ月後には嚢胞は著明に縮小し、上腹部痛も消失した。


アルコール性肝炎は禁酒により容易に改善するが、肝硬変にまで進行すると禁酒しても病変の進行は続き予後不良となる。

症例は44歳男性。主訴は全身倦怠感。若いころより大酒家。3年前に報告者の市立病院にアルコール性肝硬変、食道静脈瘤の破裂で入院、その後も入退院を繰り返している。退院後はすぐに飲酒を始める。次第に症状が悪化し、腹水、黄疸、肝機能障害も著明になり、ついに肝性昏睡もきたして入院となった。

入院後特殊アミノ酸製剤、肝庇護剤など投与したが全身状態さらに悪化、肝不全での死亡も近いものと予想されたが、考えられる治療はすべて行いつくしたので茵ちん五苓散エキス剤の投与を開始することにした。すると報告者も驚いたことだが黄疸が急速に改善、2週間後には腹水消失、1ヶ月目に退院となった。患者はその後外来通院で経過観察となったが、1年半後食道静脈瘤破裂で来院、同日出血のため死去された。

『温清飲』(うんせいいん)

42歳男性、顔面、下肢に掻痒を伴う湿疹が発生、近くの皮膚科でステロイド軟膏他の投薬を1年ほど受けたが効果は見られなかった。報告者を受診し尋常性乾癬の診断の元に温清飲エキス剤の投与を開始したところ約1ヶ月で完全に消失した。治癒1ヵ月後の現在も患者の希望により温清飲を継続服薬中である。


月経困難症23例に温清飲エキス剤を1~9ヶ月投与した結果、著効8例、有効12例で合計の有効率は87%であった。


慢性色素性紫斑は点状出血、色素沈着を伴う紫斑病である。24例に温清飲エキス剤を4週間投与したところ、19例に有効であった。


皮脂欠乏性湿疹は50歳以上に好発し、分泌物はなく痒みの強い湿疹であるが、温清飲エキス剤を43例に投与し、51%の有効率を得た。


42歳男性、顔面、下肢に掻痒を伴う湿疹が発生、近くの皮膚科でステロイド軟膏他の投薬を1年ほど受けたが効果は見られなかった。報告者を受診し、尋常性乾癬の診断の元に温清飲エキス剤の投与を開始したところ約1ヶ月で完全に消失した。治癒1ヵ月後の現在も患者の希望により温清飲を継続服薬中である。

『温経湯』(うんけいとう)『八味地黄丸』(はちみじおうがん)
『十全大補湯』(じゅうぜんだいほとう)

卵巣切除された、ラットの20%において骨粗鬆症が発症したが予防的に温経湯エキス剤または八味地黄丸エキス剤または十全大補湯エキス剤を投与した群では骨粗鬆症の発症はゼロであった。

『黄耆建中湯』(おうぎけんちゅうとう)

アルツハイマー病、老人性認知症、パーキンソン病でそれぞれ6ヶ月から1年寝たきりで重症の褥瘡が発生した3例に黄耆建中湯エキス剤を投与したところ、3例とも顕著な効果が認められた。

『黄連解毒湯』(おうれんげどくとう)

75歳、男性。頸部の腫瘍の手術目的で報告者の外科病院に入院。高血圧と糖尿病が発見された。降圧剤とインシュリンを使用しながら手術施行。

術後のぼせ、不眠、痒みの強い湿疹を訴えたため黄連解毒湯エキス剤の投与を開始した。予想していなかったことだが血糖が急速に落ち着いていき、1週間後にはインシュリンの投与も不要となった。SU剤などの経口糖尿病薬は使用していない。黄連解毒湯がなぜこれほど糖尿病の改善に有効であったのかは理解できないと報告者は云う。


不安、不眠、うつ状態を伴う56歳の女性の三叉神経痛に黄連解毒湯エキス剤を持続投与したところ、7日目で不安感の軽減とともに三叉神経痛も消失した。構成生薬である黄ごん、黄連の抗炎症作用が効果を表す理由であろうと報告者は述べている。


51歳の女性。4年前から外耳道湿疹と診断され、耳鼻科、皮膚科で治療を受けたが良くならない。報告者の大学病院で黄連解毒湯エキス剤を持続投与したところ湿疹は徐々に改善し2週間後には消失した。


ラットに6時間の水浸ストレスをかけ、同時に黄連解毒湯エキス剤を20、100、250mg/kgの量で投与した。水浸ストレスのみの群では胃粘膜傷害の進展が明らかに認められたが、黄連解毒湯投与群では胃粘膜傷害が濃度依存的に抑制された。


マウスの両側総頚動脈を15分間結紮することで一過性脳虚血を起こし、7日間後に調べると脳の1部に脳細胞死が観察された。一方この7日間に黄連解毒湯エキス剤を投与した群では脳細胞死が有意に抑制された。

この結果から黄連解毒湯が脳卒中後遺症に用いられることの妥当性が示された。


急性大腸炎で下血を認めるものの15例に黄連解毒湯エキス剤を2週間投与したところ、13例(87%)で下血が改善した。ところが下血を認めるものの中で内視鏡で潰瘍性大腸炎と診断できた8例については黄連解毒湯を投与しても下血が改善したのは1例(13%)のみであった。


報告者の精神科医院を受診した4例の躁鬱病患者に向精神薬以外に黄連解毒湯エキス剤を併用した。その結果、全例で向精神薬の減量が可能になり過鎮静、過賦活などの向精神薬の副作用の発現が防止されるとともに、気分の持続的安定が得られた。また2例の大量飲酒抑制作用が顕著に認められた。


64歳男性。排尿痛、残尿感を主訴として報告者の泌尿器科を受診。経直腸的に針生験を施行したところ、血尿が続き5日たっても止血しないため、黄連解毒湯エキス剤を投与した。するとすみやかに止血し、翌日退院することが出来た。

『黄連解毒湯、桂枝茯苓丸』(おうれんげどくとう、けいしぶくりょうがん)

60歳男性。掻痒を伴う紅班が全身に出現し、報告者の大学病院皮膚科を受診した。蕁麻疹様紅班の診断の元にステロイド剤内服を主とした治療を開始したが、4年間、症状は一進一退であった。そこで黄連解毒湯エキス剤と桂枝茯苓丸エキス剤の投与を行ったところ、投与4週間後に皮疹はかなり減少し、8週後にはまったく消退した。

『黄連湯』(おうれんとう)

各種の慢性胃炎患者22例に最低6ヶ月黄連湯エキス剤を投与した結果、全例で自覚症状は著明に改善した。

胃内視鏡所見で表層性胃炎では100%に改善が見られ、糜爛性出血性胃炎では6例中5例が改善された。萎縮性胃炎では内視鏡的には改善を認めなかった。


口内炎の患者22例に黄連湯エキス剤を4週間投与した。その結果、著効8例有効10例、やや有効2例、無効2例であり、著効、有効をあわせると18例(81.8%)の有効率であった。

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