京都府宇治市伊勢田にある稲垣産婦人科です。専門の婦人科診療はもちろんの事、女性の為の漢方診療を行っています。

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認知症

釣藤散についての基礎研究

釣藤散は頭痛、特に高血圧患者の頭痛に有効であり、さらに脳血流量を増加させ、血管性痴呆に対しても有効であるとされる。だがその効果発現のメカニズムは殆ど解明されていない。報告者は

  1. ラットの心停止モデルを用いて、脳虚血による神経細胞死の抑制効果を調べた。虚血前10日間釣藤散エキス剤入りのえさを与えたラットではコントロールに比べ有意に神経細胞が抑制された。
  2. 臨床において活性酸素(フリーラジカル)は脳虚血、痴呆症、頭痛、パーキンソン病を引き起こす大きな原因であるとの見方が有力である。

実験の結果、釣藤散はフリーラジカルの3種(スーパーオキシドラジカル、ヒドロキシラジカル、一酸化窒素」の直接的消去能を有していることが判明した。
以上2点を報告した。

認知症の周辺症状に対する抑肝散の効果

認知症(アルツハイマー病他)の中核症状である認知機能低下改善に対しては八味地黄丸などの効果が認められつつあるが、一方周辺症状である幻覚、妄想、徘徊、易怒、暴言などに対する抑肝散の効果が検討された。認知症患者52例をランダムに2群に分け、抑肝散群27例には抑肝散エキス剤を4週間内服させ、対象群25例は通常の治療を継続した。その結果抑肝散群では周辺症状が有意に改善された。ところで認知症の原因疾患の約10%はレビー小体病というあまり知られていない疾患である。この病気の特徴は明瞭な幻覚が頻発することで患者を非常に悩ませる。塩酸ドネぺジルを半年以上服用しても幻覚が消えなかった15例を対象に抑肝散エキス剤を投与したところ、4週間後に幻覚は全例で消失または軽快した。